ステップファミリー(再婚家庭)では、「お金の管理」をどうするかが大きなテーマになります。
生活費、教育費、貯金、前婚での子どもへの支出など——家計が絡む関係性はとても複雑です。
この記事では、共通財布と個人財布をどう使い分けるかを中心に、現実的な家計管理の方法を解説します。
ステップファミリーで家計が複雑になる理由

再婚家庭では、次のような要素が重なりやすく、単純な「夫婦共通の財布」では整理しにくい現実があります。
よくある要因
- 連れ子の教育費・生活費の負担割合
- 前婚時の貯金・ローン・保険の残り
- 新しい家族での住宅・車など大きな出費
- 親族関係や扶養の範囲が異なる
そのため、ステップファミリーでは「どのお金を共通にして、どれを個人で持つか」を明確にすることが不可欠です。
共通財布と個人財布、それぞれの特徴
| 項目 | 共通財布 | 個人財布 |
|---|---|---|
| 主な用途 | 家賃・光熱費・食費など家庭全体 | 個人の趣味・衣類・交際費など |
| メリット | 管理がシンプルで透明性が高い | 各自の自由度が高い |
| デメリット | 収入差があると不公平感が出やすい | 家族の出費が見えにくくなる |
「割合制」と「定額制」どちらで分ける?

家計を分担する際には、大きく2つの方法があります。
割合制(収入比で分担)
収入に応じて負担割合を決める方法です。
例:夫35万円、妻25万円 → 合計60万円のうち夫が約6割負担
メリット
- 収入差がある場合でも公平感がある
- 共働き家庭でバランスを取りやすい
デメリット
- ボーナスなど不定期収入をどう扱うか曖昧になりやすい
定額制(同額を出し合う)
毎月一定額を共通口座に入れるシンプルな方法です。
メリット
- わかりやすく、家計簿がつけやすい
- 「お互いの自由」を保ちやすい
デメリット
- 収入差が大きい場合、不公平に感じやすい
教育費・生活費・貯金の分け方モデル
ステップファミリーでは、「子どものお金」と「夫婦のお金」を区別することが大切です。
教育費
連れ子がいる場合、
- 実親が基本負担
- 義親(再婚相手)は補助的に支援
という形が多いです。
ただし、養子縁組をしている場合は「親」としての責任も発生します。
詳しくは関連記事「養子縁組をする・しないで変わる“お金のリアル”」を参考にしてください。
生活費
共通財布から支払うのが基本ですが、特別な出費(衣類・習い事など)は個人負担とするケースもあります。
貯金
共通の貯金口座を1つ持ち、
- 教育費用
- 緊急予備費
- 老後資金
などの目的別に分けると、将来の見通しが立てやすくなります。
共通財布を運用するための実践ステップ

- 共通口座を開設する
→ 銀行アプリで残高を共有できる口座が便利。 - 家計簿アプリを共有する
→ 「マネーフォワードME」や「Zaim」が人気。 - 月1回の家族会議を行う
→ 使途不明金や不公平感を減らすために、収支を一緒に確認。 - 年間の支出計画を立てる
→ 教育費・旅行・保険料など、固定支出を見える化。
家計と感情のバランスを取るコツ
ステップファミリーの家計では、「お金=信頼」という側面があります。
相手の出費を詮索するのではなく、「見える安心」を共有する意識が大切です。
心がけたいポイント
- 相手の収入や支出を責めない
- 使途を明確にするより「目的」を共有する
- 不満が出たら早めに話す
お金の使い方は、家族の関係性を映す鏡です。
ルールは一度決めて終わりではなく、生活の変化に合わせて柔軟に見直すことが重要です。
将来を見据えた家計設計を
再婚家庭では、教育費・保険・相続がすべてつながっています。
家計管理はその基盤となるものです。
詳しい制度面については、
も合わせて読んでみてください。
まとめ:家族に合った“ちょうどいい家計ルール”を
今回のまとめ
- 共通財布と個人財布の併用がバランス◎
- 教育費・生活費・貯金は役割を明確に
- 不公平感を防ぐには「話し合いと見える化」が鍵
家族の形が多様化する今、正解は「うちに合う仕組み」です。
一度ルールを作ったら終わりではなく、毎年の見直しを通して、より信頼できる家計の形を育てていきましょう。


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