はじめに
再婚生活に“理想と現実”のギャップはつきもの
「これからはきっと幸せになれる」――そんな期待とともにスタートした再婚生活。
けれど、いざ始まってみると、思い描いていた未来とは違う壁にぶつかることがあります。
パートナーとの関係、連れ子との距離感、生活リズムや価値観の違い。
家族になるって、こんなに難しいの?と戸惑ったり、孤独を感じたりすることも少なくありません。
でもそれは、あなたが悪いわけではありません。
再婚には、最初から「乗り越えるべきハードル」が存在します。
それは決してあなただけではなく、多くの人が経験していること。
この記事では、再婚後に感じやすい「しんどさ」の正体と、少しずつ前向きな一歩を踏み出すためのヒントをお届けします。
今、心が重くなっているあなたにこそ、ぜひ読んでほしい内容です。
誰もが通る「悩み期」について

再婚後、最初からすべてが順調にいく家庭はほとんどありません。
むしろ、「こんなはずじゃなかった」と感じる「悩み期」を誰もが一度は経験します。
この時期には、
など、さまざまな“違和感”や“壁”が現れます。
悩み期に陥ると、「自分が悪いのでは?」「家族になれないかもしれない」と不安になるかもしれません。
でも、これらは家族が新しい形を作っていくための“通過点”です。
いきなり完璧な家族になろうとする必要はありません。
まずは、「誰にでも起こる自然なプロセスなんだ」と知ること。
それだけでも、心の重荷は少し軽くなるはずです。
「うまくいかない」と感じる瞬間の心理

悩み期に入ると、ふとした瞬間に「どうしてこんなにうまくいかないんだろう」と感じることがあります。
それは、些細なすれ違いや、期待していた反応と違う態度に傷ついたときかもしれません。
では、私たちはどんな心理状態のときに「うまくいかない」と感じやすくなるのでしょうか。
ここから、心の動きに目を向けていきましょう。
連れ子との距離感に悩むとき
再婚後、連れ子との関係づくりは、想像以上に繊細なものです。
「もっと早く打ち解けられると思っていた」
「自然に家族になれるはずだった」
――そんな期待と現実のギャップに、戸惑いを覚えることは少なくありません。
子どもにとっても、あなたにとっても、新しい家族関係は“急にできあがるもの”ではないのです。
慣れない環境や感情に揺れながら、お互いの「心の距離」を探っている最中かもしれません。
たとえば、
こうした場面に直面すると、「自分は必要とされていないのでは」「愛されていないのでは」と不安や孤独感が募るものです。
しかし、この“距離感”こそが、子どもが心の中で葛藤しながらもあなたとの関係を考えているサインでもあります。
焦らず、子どもが心を開くペースを尊重することが、長い目で見た信頼関係づくりには何より大切です。
一足飛びに「親子」になろうとせず、まずは「一人の大人」として寄り添うことを意識しましょう。
パートナーとの子育て方針の違い

再婚によって「新たに家族を築こう」と決意したパートナー同士でも、子育てに対する価値観の違いは避けがたいものです。
それぞれが自分のこれまでの経験や家庭環境をもとに「当たり前」だと思っていることが、意外とズレていることに気づく瞬間があります。
たとえば、
このようなすれ違いが続くと、つい感情的になったり、相手を「わかってくれない」と責めたくなることもあるでしょう。
しかし、どちらが正しいかではなく、どうすれば子どもにとってより良い環境になるかを二人で考えることが大切です。
違いに気づいたときこそ、対話のチャンス。
お互いの背景や思いを言葉にして、「正解探し」ではなく「すり合わせ」を意識していきましょう。
経済的な負担感・役割の偏り
再婚後の生活では、家計の管理や役割分担に関して新たな課題が生まれやすくなります。
たとえば、
こうした小さな「違和感」が積み重なると、相手に対する不信感や疲労感に変わっていくことがあります。
特に、連れ子がいる場合は、
「自分だけが支えているのでは…?」
「自分ばかり頑張っているのでは…?」
と感じやすくなるものです。
この問題に向き合うためには、
一度決めたルールでも、生活の変化に応じて柔軟に見直していく姿勢を持ちましょう。
「一緒に乗り越える」という意識を、経済面でも育てていくことが、再婚生活を安定させる鍵になります。
「他人だった」という現実への戸惑い

再婚をして家族になったとはいえ、もとは赤の他人同士。
血縁関係のない子どもや、違う価値観を持つパートナーと生活を共にするなかで、ふとした瞬間に
「ああ、自分たちはもともと別々だったんだ」という感覚に襲われることがあります。
例えば、
といったケースです。
この「他人だった」という現実を前にすると、
を感じることも少なくありません。
しかし、違いを恐れる必要はありません。
もともと育った環境も、価値観も、家族の形も違う者同士だからこそ、
「新しい家族のカタチ」を一緒に作っていくことに意味があります。
戸惑いを感じたら、それは「うまくいっていない」のではなく、
新しい関係を築いていくための自然な過程だと捉えてみましょう。
孤独感と自己否定に押しつぶされそうなとき
再婚生活が思うようにいかないと、
「私が悪いのかな」
「家族になれないのは自分のせいかも」
と、自分を責めてしまうことがあります。
特に、
といった状況では、孤独感が強まりやすいものです。
この「孤独」と「自己否定」のループにはまってしまうと、
本来築けるはずの関係も、より難しく感じてしまうリスクがあります。
ここで覚えておいてほしいのは、
しんどいのは、あなたが家族を大切に思っている証拠だということ。
家族との関係に悩むのは、
あなたが本気で「家族になりたい」と願っているからこそです。
孤独を感じたときは、
といった心のセルフケアも忘れないでください。
焦らず、少しずつ、自分を大切にしながら歩んでいきましょう。
一人で抱え込まずに済む方法

再婚生活で抱える悩みは多く、時にはその重さに押しつぶされそうになることもあります。
そんなときに大切なのは、一人で抱え込まないことです。
どんなに小さな悩みでも、心に溜め込むことはあなたの負担になります。
そんなときこそ、他の人の力を借りることが重要です。
“話す”だけでも心は軽くなる
まず最初に試してほしいのが、話すことです。
心の中にある悩みを誰かに話すことで、気持ちが軽くなることがあります。
相手がどんなに忙しくても、無理に解決策を求めなくても、話すこと自体が心の整理になります。
身近な友人やカウンセラーに相談する
身近な友人や親しい人に悩みを打ち明けることで、共感を得られることもあります。
ただし、すぐに解決策を求めるのではなく、まずは自分の気持ちを吐き出すことが大事です。
場合によっては、専門家に相談することも有効です。
カウンセラーや心のケアを専門にしているプロに話すことで、冷静に問題を整理できることが多いです。
パートナーと定期的に気持ちを共有する

再婚生活において、パートナーとのコミュニケーションは非常に重要です。
忙しい日常の中でついついお互いの気持ちを無視してしまうこともありますが、定期的に気持ちを共有することが関係をより深めるカギとなります。
不満をぶつけず、事実ベースで伝えるコツ
気持ちを伝える際に、感情的にならず事実を基に伝えることがポイントです。
「あなたがいつもこうだから」と責めるように言うのではなく、「○○ということがあったから、私はこう感じた」と、
具体的な出来事を元に伝えることで、相手に感情を押し付けずに理解を得やすくなります。
お互いに冷静に話せる環境を作り、共に解決策を見つける姿勢が大切です。
“うまくやろう”と思いすぎない
再婚生活では、完璧を求めすぎないことが、ストレスを減らし、家族の絆を深めるための大切なポイントです。
「うまくやろう」と思いすぎてしまうと、思うようにいかない自分に対して不安や焦りを感じ、自己肯定感を下げてしまうことがあります。
大切なのは、家族と自分を受け入れること。
完璧ではなくても、みんなで少しずつ成長していける関係が理想です。
完璧主義を手放す勇気
再婚生活では、完璧にすべてをこなそうとするプレッシャーを感じることが多いですが、そのプレッシャーを手放すことも大切です。
例えば、子どもとの関係やパートナーシップにおいて、
自分ができる範囲で最善を尽くすことが、結果的にお互いにとって最も満足のいく形になります。
焦りを感じて自分に負担をかけすぎず、柔軟に前向きな考え方をすることで、家庭内でのストレスを減らすことができるでしょう。
必要ならプロの手を借りる

再婚生活がしんどく感じる時、専門家のサポートを受けることは非常に有効です。
自分だけで解決しようとせず、プロのカウンセリングを利用することで、心の整理がつきやすくなり、問題を客観的に捉える手助けになります。
ステップファミリー専門カウンセリングの活用
もし悩みが深刻化してきた場合、自分たちだけで抱え込まず、専門家のサポートを受けるのもひとつの選択肢です。
特にステップファミリーには、一般的な家族とは異なる独自の課題があるため、
専門知識を持ったカウンセラーに相談することで、心が軽くなり、建設的な解決策が見えてくることも少なくありません。
ここでは、ステップファミリーに対応しているカウンセリング機関やサービスをご紹介します。
NPO法人M-STEP

NPO法人M-STEPは、子連れ恋愛・再婚に特化した支援を行う、国内では非常に珍しい存在です。
創立から20年以上にわたり、ステップファミリーの問題に向き合ってきた実績があります。
特徴的なのは、カウンセラー自身が離婚・再婚・子育てを経験していること。
だからこそ、机上の理論だけでなく、「本当に悩む人たちの気持ちに寄り添う支援」が可能になっているのが大きな魅力です。
相談できる内容
対応しているのは、家庭にまつわる幅広い悩みです。
カウンセリングは、選択理論をベースに、「よりよい人生の選択」をサポートする形で進められます。
相談方法は全国対応
カウンセリングは全国どこからでも利用可能です。
遠方に住んでいても安心して相談できるよう、オンラインツールの使い方も丁寧にサポートしてくれるとのこと。
忙しい方や、小さな子どもがいる家庭にも配慮された仕組みです。
信頼できるカウンセラー陣
M-STEPの代表を務める新川てるえさんは、数多くの著書を手がけてきた家庭問題のスペシャリスト。
ほかにも、ステップファミリー支援に精通したカウンセラーが多数在籍しています。
実績がある専門家に相談できるのは、大きな安心材料といえるでしょう。
まずは気軽に相談できる
カウンセリングというと「特別な悩みがないと受けられないのでは」と構えてしまいがちですが、
M-STEPでは、ちょっとした不安やモヤモヤした気持ちにも丁寧に耳を傾けてくれます。
そんな方にも、気軽に利用しやすい環境が整っています。
ピリアロハカウンセリング
カウンセリング-pilialoha-counseling.com_-1024x416.png)
「ピリアロハカウンセリング」は、子連れ再婚やステップファミリーの問題に特化したカウンセリングを行っています。
これから子連れ再婚を考えている方だけでなく、すでにステップファミリーとなった後の悩みについても、幅広く相談が可能です。
実際にカウンセラー自身もステップファミリーを経験しているため、机上の空論ではない、リアルな視点でのアドバイスが期待できます。
相談できる内容
相談テーマは多岐にわたります。
子連れ再婚ならではの複雑な問題に向き合いながら、よりよい関係を築くための具体的な支援を受けることができます。
カウンセラー自身もステップファミリー経験者
カウンセリングを行う緒方リサコさん自身、離婚・シングルマザー・再婚を経てステップファミリーを築いた経験を持っています。
こうした実体験に基づくサポートが受けられるのは、大きな安心材料です。
また、アドラー心理学や親子関係カウンセリングの知見も取り入れ、実践的なアドバイスが得られるのも特徴です。
相談するメリット
家庭というのは、子どもの数だけ理想や感情があるもの。
ピリアロハカウンセリングでは、無理に「理想的な家族像」を押しつけるのではなく、一人ひとりに寄り添った現実的な支援を行っているのが印象的です。
カウンセリングサービス(全国・オンライン可)

ステップファミリー支援のパイオニアともいえる団体が「SAJ(ステップファミリー・アソシエーション・オブ・ジャパン)」です。
2001年から活動をスタートし、日本で最も長い歴史を持つステップファミリー支援団体となっています。
圧倒的な専門性と実績
ステップファミリー特有の課題に、専門的な視点から寄り添ってくれる存在です。
全国どこでも支援が受けられる
家の近くに支援団体がない人でも安心してアクセスできます。
講演会・セミナーも充実
知識を深める機会が豊富に用意されています。
社会への啓発活動も積極的
個人支援だけでなく、社会全体を変えるための取り組みも続けています。
団体名 | サービス内容 | 対応エリア・方法 | 特記事項 |
---|---|---|---|
M-STEP | – 無料電話相談 – LINE相談 – オンライン交流会 – セミナー・講演会 | 全国対応(主にオンライン) | – 当事者同士の支え合い重視 – 代表者自身もステップファミリー経験者 |
ピリアロハカウンセリング | – 個別カウンセリング – アドラー心理学に基づくサポート | 主にオンライン(個別対応) | – 実際にステップファミリーを経験したカウンセラーが担当 – 心理学ベースで深く寄り添う支援 |
SAJ | – 無料電話相談 – セミナー・講演会 – 地域交流会 – 情報発信・啓蒙活動 | 全国対応(オンライン&各地で交流会) | – アメリカの研究データ活用 – 豊富な調査研究に基づく支援 |
「うちだけがうまくいかないのかも…」と感じたときほど、第三者の視点が助けになります。
ステップファミリーに特有の問題は、あなたひとりが悪いわけでも、パートナーが悪いわけでもありません。
専門家と一緒に、少しずつ、自分たちのペースで「家族のかたち」を築いていきましょう。
“家族の成長曲線”を信じてみる

再婚後の家族づくりは、思った以上に「時間のかかるプロジェクト」です。
最初から家族全員が深い絆で結ばれるわけではありません。
むしろ、ぎこちなさやすれ違いを経験しながら、少しずつ“家族らしさ”を育てていくもの。
焦りや不安に押しつぶされそうなときこそ、すぐに結果を求めるのではなく、
「家族にも成長のプロセスがある」と信じることが大切です。
ここからは、その心構えについて具体的に掘り下げていきます。
すぐに「家族」にならなくてもいい
再婚後、どうしても「早く家族にならなきゃ」というプレッシャーを感じることは少なくありません。
連れ子との関係、パートナーとの新たな生活、周囲からの目——
そのすべてが「ちゃんと家族らしくしなきゃ」という無言の圧力となり、あなたを追い込んでしまうこともあります。
しかし、家族の絆とは、時間をかけて築き上げていくもの。
無理に「親らしく」「子どもらしく」振る舞おうとするよりも、
お互いに自然な気持ちで接しながら、小さな信頼をひとつひとつ積み重ねていくことが、
結果として本当の家族の形を作っていきます。
たとえば、
そんな日常の中にこそ、家族になるための大切な種がまかれているのです。
焦る気持ちが出てきたときは、「まだ“家族未満”でも大丈夫」と、自分に言い聞かせてみましょう。
大切なのは、“今どんな関係性であっても、未来へ向かって歩き続けること”です。
子どもとの信頼関係は時間をかけて育つ

連れ子との関係に悩むとき、多くの親は
「もっと早く打ち解けたい」
「ちゃんと親子らしくなりたい」と焦ってしまいがちです。
ですが、信頼関係は、急いで築けるものではありません。
特に子どもにとって、再婚は大きな環境変化です。
新しい親との関係に戸惑い、心を開くまでに時間がかかるのは、ごく自然な反応だといえます。
大事なのは、
といった、「信頼の貯金」を少しずつ積み重ねていく姿勢です。
たとえば、
・約束した時間に一緒に遊ぶ
・子どもが話してきたときに真剣に耳を傾ける
──そんな小さな積み重ねが、やがて「この人は信じられる」という気持ちを育てていきます。
焦らず、比べず、「今できること」を一つずつ積み重ねていくこと。
それこそが、子どもとの絆を深める一番の近道です。
小さな成功体験を積み重ねよう
再婚後の家族関係づくりは、大きな一歩ではなく、小さな一歩の連続です。
いきなり「理想の家族」を目指そうとするよりも、「小さなうまくいった経験」を大切に育てていくことが、結果的に大きな信頼や絆に繋がっていきます。
たとえば、
そんな何気ない一日一日が、「家族になっていくプロセス」そのものです。
うまくいかなかったことに目を向けるより、できたこと・良かったことに意識を向ける習慣をつけていきましょう。
たとえ小さな成功でも、自分自身を認めることが、次への自信になります。
「できた」「進んだ」と感じられる瞬間を、どうか大切に。
その積み重ねが、気がつけば家族の土台となり、あなた自身を支えてくれるはずです。
焦りを手放すと見えてくる変化

「早く家族にならなきゃ」
「もっと仲良くならなきゃ」
と焦る気持ちは、とても自然なものです。
でも、焦りは時に、自分にも周囲にもプレッシャーをかけてしまい、
かえって関係をぎこちなくしてしまうこともあります。
家族の絆は、無理に作るものではなく、自然に育まれていくもの。
焦らず、一歩一歩進んでいく中で、
そんな小さな変化に気づけるようになります。
焦りを手放すことで、相手の変化も、自分自身の成長も、もっと素直に受け取れるようになるでしょう。
「今はまだ途中。だけど、確実に進んでいる」
そんな視点で、家族づくりを楽しんでいきましょう。
まとめ

再婚生活における「しんどさ」は、あなただけが感じているものではありません。
それは、家族を大切にしたい、よりよい関係を築きたいと願っているからこそ生まれる葛藤です。
うまくいかないと感じる瞬間、孤独を感じる夜も、すべては「今」という過程の一部。
焦らず、一歩ずつ。
ときには立ち止まり、ときには誰かの手を借りながら、
あなた自身と家族のペースで歩んでいけば大丈夫です。
未来には、きっと今の努力が実を結ぶ日がやってきます。
どうか自分を責めず、“家族の成長曲線”を信じて、今日も一歩、小さな前進を重ねていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました!
コメント