この記事のポイント
- ステップファミリーとは?再婚との違いを解説
- ステップファミリーの離婚率は一般的な結婚よりも高い?統計データを紹介
- 離婚を防ぐためにできる対策やポイントとは?
はじめに
この記事を読んでいる方の多くは、子連れ再婚、つまりステップファミリーになるか否か、迷っている方だと思います。
子連れ再婚に限らず、結婚生活においていいことばかりではないことは当然のことですが、ステップファミリーならではの難しさというのも、やはりあるものです。
この記事では、前向きな家族ブログではなかなか触れづらい「離婚」について、敢えて切り込んでいきたいと思います。
ステップファミリーについては、別の記事で詳しくまとめていますので、そちらをご覧ください!
ステップファミリーの離婚率は高い?

ステップファミリーという言葉が浸透してきた現代でも、その実情はまだまだ知られていない部分が多くあります。
特に気になるのが「ステップファミリーの離婚率は高いのか?」という点。
これは、再婚を考える人や現在ステップファミリーとして暮らしている人にとって、非常に大切なテーマです。
まずは、一般的な結婚とステップファミリーにおける離婚率の違いについて見ていきましょう。
一般的な結婚とステップファミリーの離婚率の比較
ステップファミリーの離婚率は、初婚同士の夫婦と比較すると高いというデータがあります。
家族形態 | 離婚率 |
---|---|
初婚同士の夫婦 | 約30% |
再婚で子どもがいる夫婦(ステップファミリー) | 約60% |
※上記のデータは、アメリカの調査を元にした一般的な傾向を示したものであり、日本国内の統計とは若干異なる可能性があります。

いやぁ、分かっちゃいましたが、倍も開きがあるとは…
ステップファミリーの離婚率が高くなる理由
このように、ステップファミリーの離婚率が高くなる要因にはいくつかの理由が考えられます。
① 親子関係の複雑さ

ステップファミリーにおいて、離婚率が高まる大きな要因のひとつが
“親子関係の構築が一筋縄ではいかない”という現実です。
実の親子でさえ、すれ違いや葛藤はあるもの。
そこに「血縁関係のない親子」という距離感が加わると、さらに難しさが増します。
たとえば──
こうした問題が少しずつ積み重なることで、家族全体の関係がぎくしゃくしてしまうのです。
また、特に子どもがある程度の年齢になっている場合、「この人は本当の父親(母親)じゃない」という意識が強く、距離を縮めようとするほど反発されてしまうこともあります。
結果として──
こうした状態が続けば、夫婦関係にもストレスが波及し、離婚という選択肢が現実味を帯びてしまうのです。
ステップファミリーには「親子になる」という新しいプロセスがあり、これは時間と根気が必要な“育む関係”です。
最初から「うまくいかないのが普通」と受け入れること。
無理に距離を縮めようとせず、“信頼貯金”をじっくり貯めていくことが大切になります。
② 前配偶者との関係

ステップファミリーにおいて、「前のパートナー」との関係が尾を引くことは、新しい家庭の安定に大きく影響します。
具体的には──
ときには、前配偶者とのやり取りに現パートナーが巻き込まれ、「いつまでも過去の結婚がつきまとっている」と感じてしまうケースも。
これは、「自分はこの家庭の“本当の一員”として見られていないのでは?」という不信感や孤独感を生み、夫婦間に壁ができてしまう原因になります。
また、子どもの前で前配偶者の悪口を言ってしまったり、逆に気を遣いすぎて会話を避けたりと、日常の中に“前の家族”の存在がちらつくことが、今の家族関係にじわじわと負荷をかけます。
結果として──
こうした“見えにくいストレス”が積み重なることで、離婚のリスクが高まってしまうのです。
だからこそ、ステップファミリーにおいては、前配偶者との関係を“適切な距離感”で整理することが極めて重要。
「今ここにある家族」を最優先にしながら、必要な調整を冷静に行うことが、新しい関係の安定には欠かせない一歩となります。
③ 経済的な負担

ステップファミリーでは、経済的な負担が通常の家庭よりも重くなりがちです。
これは家計に直接的なプレッシャーをかけるだけでなく、夫婦間の関係性や精神的な余裕にも影響を及ぼします。
たとえば──
など、想定以上の経済的負担がのしかかってくることがあります。
さらに問題なのは、その“お金の負担”が夫婦間で平等に感じられないことがある点です。
こうした小さな不満が積み重なることで、関係に亀裂が入りやすくなるのです。
また、継子への金銭的な支援が“愛情のバロメーター”のように扱われることもあり、出す・出さない=気持ちの問題と誤解されることもあるのが、ステップファミリー特有の難しさ。
このように、経済的な負担は単なる「お金の話」ではなく、信頼・責任・感情の問題とも強く結びついているため、適切に向き合わないと、夫婦関係を揺るがす深刻な原因になり得るのです。
④ 家族の役割の曖昧さ

ステップファミリーでは、「父」「母」「子」という役割が、再婚によってゼロから再構築されます。
そのため、役割分担が曖昧になりやすいのが大きな特徴です。
たとえば──
といった問題に対して、明確なルールや“型”が存在しません。
その結果…
といったように、家族の中での立ち位置が曖昧なまま関係性がこじれるケースが少なくありません。
特に、子どもにとっては「親が二人いるけれど、本当の親は一人だけ」という環境は、感情的な混乱や不信感を引き起こしやすいもの。
それをうまくフォローできないまま時が流れると、家族としての一体感が築けず、関係が分裂してしまうリスクが高まります。
ステップファミリーの離婚を防ぐためのポイント
さて、ここまでステップファミリーの離婚率が高くなる理由について、その主な要因を挙げてきました。
気が重くなるような内容だったかと思いますが、ここからはその要因への対処法について「ステップファミリーの離婚を防ぐためのポイント」として紹介していきます。
結婚する前に同棲する期間をつくる

ステップファミリーにおいては、いきなり「結婚」「家族になる」とすべてを一気に始めるよりも、段階的な関係構築がとても大切です。
そのために有効なのが、結婚前に同棲する期間を設けること。
同棲することで、以下のようなメリットがあります:
特にステップファミリーでは、大人同士の関係性だけでなく、子どもとの関係も含めて家族全体としての相性を見る必要があります。
もちろん、同棲したからといってすべてがスムーズにいくわけではありませんが、「お試し期間」としての役割は非常に大きいもの。
子どもにとっても、いきなり“家族”になるより、少しずつ関係を築ける方が心理的負担が少ないです。
焦らず、丁寧に。
結婚をゴールにせず、「暮らしの相性」や「家族としてのリアル」を確認する時間を大切にしましょう。

息巻いても、きっと再婚する側が慎重になってコントロールしてくれると思いますが(笑)
夫婦間のコミュニケーションを大切にする

ステップファミリーにおいて、夫婦関係が家庭の“土台”になります。
そのため、この土台がグラつくと、家族全体のバランスも崩れやすくなってしまいます。
一番大切なのは、夫婦間の密なコミュニケーション。
ステップファミリーでは以下のような“普通の夫婦”とは違った壁が多く存在します:
これらは「話さなければ伝わらないこと」ばかりです。
相手がわかってくれているはず、と考えてしまうと、すれ違いや誤解が深まりやすくなります。
だからこそ、
といった日常の小さな対話の積み重ねが、家族全体を守る大きな柱になります。
ステップファミリーには「普通の家庭にはない不安定さ」があるからこそ、夫婦の信頼関係は“見えない安心感”として子どもにも伝わります。
夫婦の会話が増えれば増えるほど、家庭の空気は安定していきます。
子どもとの関係をゆっくり築く

ステップファミリーでは、親子関係が“ゼロからのスタート”になることも多いです。
実の親子とは違い、「自動的に愛情がある」という前提がないからこそ、関係づくりには“時間”と“丁寧さ”が必要です。
特に子どもは、大人が思っている以上に敏感で複雑な感情を抱えています。
こうした不安や戸惑いを持っていても、言葉にできない子がほとんどです。
だからこそ、関係を築こうとする側(特に血縁のない親)は、「すぐに仲良くなろうとしない勇気」も大切です。
このように、“待つ”姿勢が信頼を育てる近道になる場合も多いです。
ステップファミリーでは、「夫婦」と「親子」の関係が同時進行でつくられていきます。
夫婦関係がどんなに良くても、親子関係のトラブルが続くと、家庭全体の安定は崩れやすくなります。
だからこそ、子どもとの関係を「信頼の貯金」として、少しずつ積み上げていく意識が大切です。
その“ゆっくりさ”が、家族全体を壊れにくくしてくれます。
前配偶者との関係を整理する

ステップファミリーでは、「元の配偶者(元夫・元妻)」の存在が、現在の家庭に影響を及ぼしやすいという特徴があります。
特に、子どもが前のパートナーとの間にいる場合、完全に縁を切ることはできず、なおさらです。
だからこそ、「前配偶者との関係をどう整理するか」が、現在の夫婦関係の安定に直結します。
たとえばこんなケースがあります。
こういった状態が続くと、現在の夫婦間に“見えない第三者”がいるような感覚になり、
信頼関係が揺らいでしまう原因になります。
もちろん、子どものために前配偶者と関わる必要がある場面もあります。
でもその際も、以下のような姿勢がとても重要です。
このように、「今の家族を守る」という軸をしっかり持つことが大切です。
前の関係を引きずったままでは、新しい関係も築けません。
ステップファミリーにおける“見えないリスク”を減らすためにも、過去を整理し、今に集中する姿勢が、長く続く家庭づくりの鍵になります。
専門家のサポートを活用する

ステップファミリーは、通常の家庭とは異なる複雑さを持っています。
こうした「家庭内にあるグレーな問題」は、自力で解決しようとすると、かえってすれ違いが深まることも。
そこで大切なのが、第三者=専門家の力を借りることです。
たとえばこんな場面で役立ちます。
こうした支援は、「頼るのが特別なこと」ではなく、「家庭を守るための手段」です。
特にステップファミリーでは、「こんなこと、誰にも話せない」と思いがちなテーマこそ、専門家のような“安全地帯”で話すことで、解決の糸口が見つかることがよくあります。
また、夫婦でカウンセリングを受けることで、「パートナーの感じている不安や葛藤」に気づけるチャンスにもなります。
感情が絡みがちな問題だからこそ、プロの視点を介すことで、“対立”ではなく“対話”に変わることがあるのです。
迷ったら一人で抱え込まずに。
「専門家に頼ること」自体が、家族を大事にする第一歩になるはずです。
まとめ
✔ ステップファミリーの離婚率は、初婚夫婦と比べて高い傾向にある
✔ 親子関係の構築や前配偶者との関係が離婚率に影響する
✔ コミュニケーションや専門家のサポートを活用することで家庭の安定につながる
ステップファミリーは、一般的な結婚とは異なる課題を抱えることが多いですが、適切な準備と努力をすれば、安定した家庭を築くことも可能です。今後の家族の未来を考えるために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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