この記事のポイント
- 養子縁組をしても国や自治体からの手当は基本的にない
- 里親制度では金銭的な支援があるが、養子縁組とは異なる制度
- 養育にかかる費用や活用できる支援制度について解説
はじめに
先日養子縁組について調べていた際に「養子縁組 お金 もらえる」という関連ワードが目につきました。何か申請したら支援金みたいなものがもらえるのかと思って調べてみたので、その内容をまとめて皆さんにも共有します。
結論から言うと養子縁組自体に対する手当はありません。これは、養子縁組が法律上の親子関係を成立させる制度であり、子どもを自分の子どもとして育てる責任を負うためです。
一方で、里親制度では養育にかかる費用を補助するための手当が支給されることがあります。この違いが混同され、「養子縁組をすればお金がもらえる」という誤解が広がった可能性があります。
本記事では、養子縁組と里親制度の違い、支援制度について詳しく解説します。

一般の家庭と同じく、「児童手当」はもらえますよ!
養子縁組ではお金はもらえない
養子縁組の基本
養子縁組とは、法律上の親子関係を結ぶ制度です。養子は実子と同じ権利を持ち、養親は親としての義務と責任を負います。
養子縁組には以下の2種類があります。
種類 | 概要 | 養親の条件 | 養子の条件 |
---|---|---|---|
普通養子縁組 | 実親との法的関係は継続 | 特に制限なし | 年齢制限なし |
特別養子縁組 | 実親との法的関係が消滅 | 夫婦のみ(年齢制限あり) | 原則15歳未満 |
養子縁組には手当はない
養子縁組をすると、養親は実親と同様に子どもの生活費・教育費を負担します。そのため、国や自治体から「養子を育てるための手当」は支給されません。
しかし、子育て支援として一般の子ども向け手当(児童手当や扶養控除)は適用されるため、子どもが養子であっても受け取ることができます。

「児童手当」の支給額は以下の通りです!
児童の年齢 | 児童手当の額(一人あたり月額) |
---|---|
3歳未満 | 15,000円(第3子以降は30,000円) |
3歳以上 高校生年代まで | 10,000円(第3子以降は30,000円) |
里親制度ではお金がもらえる?
里親制度とは
里親制度は、実親が育てられない子どもを家庭で養育する制度です。養子縁組と異なり、里親は法律上の親にはなりません。
里親手当の内容
里親の種類 | 里親手当(月額) | その他の支援 |
養育里親 | 約9万円 | 生活費補助・医療費助成 |
専門里親 | 約14.1万円 | 生活費補助・医療費助成 |
里親手当は子どもを養育するための支援であり、養子縁組とは異なるものです。
養子縁組後の費用と利用できる支援制度
養育にかかる費用
養子縁組後は、実子と同じように生活費や教育費が必要です。
- 衣食住にかかる生活費
- 医療費・保険料
- 学校教育費(授業料・学習塾費)
活用できる支援制度
養子であっても、以下の支援制度を活用できます。
制度 | 内容 |
児童手当 | 年齢により月額10,000〜15,000円支給 |
扶養控除 | 養子も対象で所得税の控除が適用される |
医療費助成 | 自治体による子どもの医療費補助 |
奨学金制度 | 高等教育のための支援制度 |

「児童手当」は以前は所得制限がありましたが、2024年10月から制限が撤廃されて、どのご家庭でも受け取ることができるように改善されました!
まとめ
✔ 養子縁組では手当は支給されないが、一般的な子育て支援は受けられる
✔ 里親制度では養育費の補助があり、制度の目的が異なる
✔ 養子を迎えた後の生活費は親の責任であり、事前の準備が大切
養子縁組は、単なる手続きではなく、親としての責任を背負う大切な決断です。当然ですが、「お金がもらえるから養子を迎える」ではなく、「家族として迎え入れる覚悟」が必要です。
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